PICDEM Zで、ZigBeeのトレーニング

遅ればせながら、ZigBeeの勉強を始めた。物理層からしっかりと勉強すべきと考え、大枚をはたいてMicrochipのZigBee開発キットPICDEM Zを購入した。今回は、とりあえずUnboxingから簡単なテストまでを報告する。

Microchip Directへ注文し、4日でFedExにて手元に届いた。

キットの内容物。基板が5枚、CD-ROMが2枚、USBケーブル、紙片(はじめにお読み下さい、利用者登録カード、セールスetc)CD-ROMに含まれている内容は、いずれも同社のサイトからダウンロードできる。

これが、ZigBee RFトランシーバ。物理層、MAC層(正確に言うとMAC層の一部)までこの中にある。ホストマイコンとのインターフェースは基本的に4線式SPIである。注目はWAKE端子。それと、$19という価格。

ZigBee RFトランシーバの裏面。マイコン基板と0.1インチピッチの12ピンのコネクタで接続する。将来自作ボード開発時には扱いやすそう。

このZigBee RFトランシーバのブロック図。MACパケット再送信や128ビットAES暗号エンジンがある。送信電力+0 dBm、スリープ時 2μA、受信感度-91 dBm。

マイコン基板には40ピンDIPのPIC18FL4620が乗っていて、2枚とも回路はまったく同じでファームが違うだけ。こちらは、ZigBeeのコーディネータのファームが書き込んである。ICSP仕様の6ピンモジュラコネクタからインサーキットデバッグとフラッシュ書き込みをする。

一方こちらのマイコン基板はZigBeeのFFD(Full Function Device)でルータのファームが書き込んである。

これがZigBeeアナライザボード。今回このキットを買った重要な動機の1つ。USBケーブルを介してPCと接続して、ZigBeeネットワークのトラフィックのパケットを解析できる。さらに、ネットワークのトポロジーをグラフィカルに表示できる。基板アンテナのほかに外部アンテナ用のSMA同軸コネクタらしきパターンあり。

マイコン基板の電源は、006P9V積層乾電池用のスナップまたは、DC9VのACアダプタから取れるようになっているが、ACアダプタのプラグが内径2.5mm/外径5.5mmタイプで手持ちがなかった。仕方なく乾電池用のスナップにACアダプタを接続できるようなケーブルを作った。

電源として006P 9V積層乾電池を使った場合(ケーブルは自作)。もちろん乾電池を直接、基板のスナップに装着しても良い。RS-232Cケーブルは、クロスケーブル、19200bps、ノンパリ、8ビット、1ストップビット、フロー制御なし。

フルZigBeeプロトコルスタックの上にデモアプリがあらかじめ書き込んであるので、いきなり電源を入れてデモを動かして動作確認ができる。

コーディネータ側の画面。一方の基板にあるボタンをON/OFFすると他方の基板上にあるLEDがそれにあわせて点灯/消灯するというデモ。

ルータ側の画面。

ZigBeeパッケットアナライザの画面。ご覧いただいているのは、ビーコンリクエストの場面。MAC層のヘッダは白、MAC層のコマンドとビーコンは赤、NWK層のヘッダは緑、、、というように色分けしてある。デバッグには必須のツールだろう。

ZigBeeの物理層パケットおよび、MAC副層フレームの構造

マイコン基板裏面にある電流測定点。ここを切断して、3.3Vレギュレータ通過後の供給電流を測れるようになっている。RS-232CのTX/RXをロジックレベルで取り出すことも出来るようだ。

同じ場所の表面。ここにピンヘッダを立てれば電流を引っ張り出せる。裏面で切断した場所に代わりに低い値の抵抗を張って電圧降下をもって電流に換算出来るようにもなっている。※定電圧電源を使って消費電流を測ってみたが、30-40mAと期待したほど少なくなかった。

2010年10月02日